| 2001/05/10 |
1) 相談日 毎週土曜日午後 5組の方 平成13年の1月と2月は、テレビを御覧になって相談を希望される方が急増したことに対応するため、他の仕事を中断し無理をして相談受付を増やし、週15組の方にお会いしていました。しかしこの数では、私の知りうる限りの病院の紹介でも対応しきれませんでした。さらに私自身の診療の継続も不可能となり、結果的に、それまで私が治療を続けてきました多くの患者さんにも転院していただくという非常事態を招くこととなりました。今思えば、昨年12月から3月までは、相談室を閉めることが最も賢明な選択であったと反省しております。週5組という数も、他の仕事の合間に私一人で行なっていることを考慮していただければ、少ないとは言えない事情があります。 2) 申し込み 10日前、すなわち前の週の水曜日の午前9時より病院の電話で受け付け 短時間に電話が集中して、電話局で電話が止められる事態もあるようです。一般の方から、「往復はがきによる抽選にしては」という御提案をいただきました。すべての方が、このホームページを御覧になってはがきを出される場合は、それも可能かと思われますが、ちょっとした確認を同時にされたい方が多い現状を考えますと、「抽選もれとなりました」という返信はがきだけでは、御納得されないのではないか、という懸念があります。 3) 対象 患者さん御本人に対するセカンドオピニオン 家族の方の御相談も深刻であることは承知しておりますが、相談希望が殺到しております現状では、やむを得ず「患者本人優先」としています。拙著の一つで「膵臓癌の患者さんの治療は断らない」と書いておりますが、執筆当時と異なり、多い時には5人中4人が膵臓癌ということもあります。あくまでも、原則としてセカンドオピニオンの提供の場とさせていただきたいと思います。「その割には、具体的に充分な病院を紹介してくれない」という御不満もあろうかと思いますが、紹介病院から「これ以上は無理」と言われますと、一般的な「病院の探し方」に話が限定される場合がありますことを御了承ください。同じ理由から、平成7年からできるだけあらゆるがんの相談に応えてまいりました「相談室」ですが、乳癌、肺癌、肝臓癌、胆道癌、膵臓癌、胃癌、食道癌、小腸癌、大腸癌等にがん種を現在限定されていただいていることも、御了承ください。 4) どのような場合に平岩は治療を引き受けるのか 相談者数が少ない時は、希望される方すべての治療を引き受けていた時期もありました。また前述のように、膵臓癌ならすべて引き受けるという時期もありました。私の活動(週刊現代で連載中の『手術室の独り言』や拙著での私の主張)をご理解いただいている方は、すべて治療を引き受ける時期もありました。そして今は、「一緒に医療を患者の立場から改革していこう」という方と協力していきたいと考えています。突然病気になられた人にとって、「それはあまりにも高いハードルだ」とお叱りを受けることは覚悟しております。しかし、私一人で治療できる患者数と照らし合わせますと、これはフェアなことと考えます。土下座をする人や、「お金をいくらでも出す」という人の治療を引き受けることは、とてもフェアとは思えません。保険診療という枠を可及的に尊重しながら、しかも日本のがん治療を変えていきたいと私は思っています。このことに力を貸そうという具体的なアイデアをお持ちの方と協力してまいりたいと思っております。実はこのホームページも、そのような一人の患者さんのアイデア、御盡力、御厚意で運営されています。 5) 電話受付けの窓口について 病院事務をしている20代の女性が電話を受けております。彼女たちに、患者さんが御相談の内容を具体的に伝えることには無理があります。御理解ください。また返信用切手の入った速達もたくさんいただきますが、それに私が応えることにも無理があります。実際、平成9年にそのようなことを一時期試みたこともありましたが、いくつかのメディアでも報道された通りの混乱ぶりでした。 |
| 2001/03/14 |
「相談室の有料化」について 「相談室の予約方法」について 「相談室への苦情」について 「最近の相談室」 「がんの相談室」とは 「がんの相談室」は、私が静岡県の共立蒲原総合病院の外科部長をしていました当時、1995年5月から始めたものです。その後、勤務地が変わっても、6年近く毎週続けています。 当初は、セカンド・オピニオン(主治医以外の医者の意見)を提供する場として、病院の厚意と協力の下に、ボランティアでこの相談室を開きました。その趣旨は今も変わりません。 しかし、相談室を開きますと、それ以前には予想もしなかった、「がん難民」とでも言うべき人々がたくさんいることに驚かされました。「もう治療法はない」と主治医から見放された人、藁をもつかむ思いからいかがわしい健康食品や免疫療法などに大金をつぎ込まされている人の存在です。 余裕のある限りこの「がん難民」のための医療をしたい、との思いから、早期のがん治療はできるだけ他の医者に紹介し、私自身は日本にまったくと言ってよいほど欠けている抗癌剤治療に、次第に医療の比重を移してきた経緯があります。 4年半の間、ボランティアで無料で続けてきた「がんの相談室」を、99年9月から有料にしたことには3つの理由があります。 「相談室の有料化」について 95年5月から無料で始めた「がんの相談室」を99年9月から有料にしたことには3つの理由があります。 @ 相談の申し込みが全国から増え、なかなか予約が取れなくなる中で、できるだけ、より深刻な相談の人に応じたいと考えました。地下鉄に乗って小さな相談のために来る人は、1時間5万円と聞くと驚きます。しかし、患者と家族が一緒に、飛行機に乗って北海道や九州から来る人にとっては、交通費と比べても法外な値段ではありません。「小さな相談の人には遠慮していただきたい」という思いがありました。 A 私は、厚生労働省が承認していない治療法であっても、できるだけ世界で行われている治療を「保険診療」として行ないたいと考えています。一方、「自由診療」と言って、医療費のすべてを保険を使わずに患者の全額自己負担にすれば、どんな医療を行っても、何ら問題はありません。しかし、この全額自己負担の医療費がまかなえる日本人はごく一部に限られています。すべての医療行為のコストが規制されている日本では、「保険診療」を行う限り、少しでも規制外の治療、たとえば抗癌剤の時間治療のようなことをしようとすれば、病院はそれに対する医療費を誰(患者本人あるいは保険者)に対して請求することができません。少しでも、この赤字医療を補うために、相談室の収入を当てさせていただいています。 B 日本では、多くの患者がもっと長い医者との会話を望んでいます。ところが医者も、患者ともっと長い会話のできる医療制度を望んでいるのです。これは患者からみると、驚きかもしれません。 日本の医療はたとえば、1000円均一のタクシーです。1000円均一の制度の中で、あるタクシー会社が遠方の客でもまったく断らなければ、いずれその会社は倒産することでしょう。私は今まで、「手術時間よりも長い手術の説明」、「検査時間よりも長い検査の説明」が必要であると訴えてきました。これが日本でも実現するためには、財政的裏付けが必要です。今の日本の制度の中では、私のような考え方をする医者は、「病院経営の厄介者」になってしまいます。確かに、1時間5万円は法外です。 九州や北海道から来る人に、私は尋ねます。「なぜ、あなたは遠方からわざわざ飛行機に乗って東京まで来ないといけないと思いますか?」 答は簡単です。私の相談室が、私の余暇時間を利用したボランティアだったからです。「只の相談室を真似しろ」と他の医者に言うことには無理があります。 「平岩の相談室は法外な値段だ。私は1時間4万円でやろう」 「私は1万円でやろう」 あるいは 「私は1時間10万円だ」 という医者が全国に現れれば、わざわざ関西や東北から東京の月島サマリア病院に訪れる必要もなくなると思っています。日本中に、このような相談室が1日も早く、たくさんできることを念願しています。 「相談室の予約方法」について 以前は完全予約制にしていました。次第に希望者が増えると、ついに、予約表は半年先まで埋まるようになりました。すると、二つの困ったことが起こるようになりました。 @ 櫛の歯が抜けるようにキャンセルが出てきます。 「初七日が終わりました。残念ですが相談室にはいけませんでした」といった断りの電話が、家族からくるのです。進行癌の人にとって、半年は無限のような長い時間です。「相談室」を待ちながら亡くなっていった人のことを思いますと、このような残酷なことは避けなければならないと考えました。 A 予約が入るのが半年先とわかると、深刻な人は予約を取ることを諦めてしまいます。比較的余裕のある人だけが、予約を入れて待ちます。「有料化」にする時と同じ状況が、また起こったのです。つまり、深刻でない人だけのための相談室になってしまいました。 そこで今では、「毎週リセット方式」で、水曜日9時に次週の電話予約を入れていただき、予約が一杯になった時点で打ち切りとしています。そして、次の水曜日9時に改めて電話をしていただいています。 相談の希望者が多ければ、何らかの方法で相談者の制限をせざるを得ません。現行のやり方よりも良い方法があれば、お教えいただきたいと思います。より良い方式を取りいれていきたいと思っています。 2001年1月と2月にはあまりにも相談希望者が多かったため、一時的に週三日、15組の相談者に対応しました。しかし、そのために私の通常の診療を削ることをして、結果的に治療希望者にはまったく応じられないという皮肉な結果になりました。そればかりか、いままで治療を続けてきた患者の方々にも大変な負担をかける結果となってしまいました。私は、月に一日も休日をとらないで仕事をしてきた医者です。このような医者は日本中にいくらでもいますが、やはり週に1日、5組の人の相談を受けることが限界です。 「相談室への苦情」について 「毎週リセット方式」では、なかなか予約が取れません。このことにつきまして、月島サマリア病院に苦情を言う人がいます。私は月島サマリア病院の職員ではありません。月島サマリア病院の厚意で、診療や相談室を続けされてもらっています。相談室についての、月島サマリア病院への苦情には大変困っています。 今の日本で、このような私の相談室を受け入れてくれる病院はなかなかありません。私の相談室の場が、6年近くの間にあちこちに移っていることの一因もそこにあります。 予約が取れないことの本当の理由は、私以外の、全国25万人の医者の多くが、このような相談室を開いていないことにあります。全国9000あまりの病院のほとんどが、このような相談室を開いていないことにあります。 苦情を言うべきは、このような大多数の医者、このような大多数の病院に対してではないでしょうか。 月島サマリア病院への苦情は、結果的に「出る杭を打つ」ことになります。苦情が続けば、月島サマリア病院も「相談室を止めれば苦情もなくなる」と判断することになります。 批判ではなく、代案を提案していただきたいと思います。 |
| 2001/01/22 |
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